【徹底解説】ITストラテジストは役に立たない?実情をITコンサルタントが徹底解説!

 

こんにちは。Day1 キャリア です。

近年DX化の急拡大を背景に、IT系の職業をしている方で「ITストラテジスト」の取得を目指す方が増えたのではないでしょうか。

しかし「ITストラテジストは役に立たない」という声が風の噂で聞こえてきており、「せっかく頑張って取得しても役に立たないならやめておこうかな・・・」と不安になっていませんか?

本当に「ITストラテジストは役に立たない」のでしょうか。

今回はそんな方のために、実際にITストラテジストの資格を保有し、ITコンサルタントとして長年活動している筆者が体験した実態と共に、ITストラテジスト取得のメリット・デメリットを徹底解説しようと思います!

 

これからITストラテジストの資格を取得されようとしている方、必見です。

この記事について

  • ITストラテジストの資格が役に立つか否かが分かります。
  • ITストラテジストを取得すべき人、メリット・デメリットが分かります。
  • たった3分で読めます。

こんな方は必ず読んでください

  • これからITストラテジストの資格を取得しようとしている方。
  • エンジニア・コンサルタント・ビジネスマン・就活生の方。
  • ITコンサルタントに興味がある方。

この記事の信頼性

  • ITストラテジストの資格を実際に持つ筆者が、その経験から実態をお伝えします。
  • 筆者はこれまで10年以上に渡りITコンサルタントとしてIT業界で経験を積んできました。IT・ビジネス両面で、ITストラテジストのメリット・デメリットを語ることができます。
  • 現在はITコンサルティング会社を自ら経営しており、現在も第一線で活躍しています。

 

それでは解説していきます。

 

ITストラテジスト資格とは

そもそも「ITストラテジスト」資格ってなに? という方向けに、その概要を簡単にお伝えします。

既に知ってるよ、という方は読み飛ばして頂いて構いません。

<ITストラテジスト概要>

正式名称 ITストラテジスト試験
発行団体 IPA – 情報処理推進機構
試験開催頻度 年一回(4月)
試験内容 事業企画、業務改革推進、情報化企画、製品・サービス企画などの部門において、ITを活用した基本戦略の策定・提案・推進を遂行するために必要な知識や能力を測る。
試験形態 選択式・記述
公式ページ https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/st.html

 

一言で言うと、「ITを使った事業戦略を立案する能力があるかを測る試験」と言えるでしょう。

 

メリット・デメリット

それでは本題に入っていきます。

「ITストラテジストって役に立たないの?」という問いに対する回答です。

まず、ITストラテジスト試験を取得することのメリット・デメリットを実体験に基づき、忖度なく解説します。

メリット

  1. IT戦略を立案する上で検討しなければならない基本的な事項を体系的に学習することができる。
  2. 他社のIT戦略/DX戦略事例について調査し、知識として身につけるきっかけになる。
  3. 資格としての権威性が高く、対外的な説得力が増す。

 

1. IT戦略を立案する上で検討しなければならない基本的な事項を体系的に学習することができる。

まずメリットの1つ目ですが、ITストラテジスト試験に受かるためには、ITに関する基礎知識はもちろん、IT戦略を立案する上で検討しなければいけないポイントを抑える必要があります。

具体的には、以下のような知識がITストラテジスト資格の取得には必要になってきます。

  • 現状課題の分析手法(As-Is / To-Be 分析・ロジックツリー 等)
  • 解決策立案手法
  • 市場分析手法(PEST分析・3C分析 等)
  • 計画立案手法(PDCA・リスク管理 等)

こういった所謂「問題解決手法」と「計画策定手法」はコンサルタントとして活動している方や事業戦略を立案する立場にある方にとっては当たり前の知識ですが、そういった上流工程の経験がない方にとってはなかなか馴染みのない知識かと思います。

こういった知識を体系的に学ぶことができる、と言う点でITストラテジスト試験は役に立つ、と言えます。

 

2. 他社のIT戦略/DX戦略事例について調査し、知識として身につけるきっかけになる。

2つ目のメリットについて、ITストラテジスト試験では企業の課題文が与えられるので、受験者は課題を解決するIT戦略/DX戦略を立案するのですが、かなり具体的な記述を求められます。

この際、IT戦略/DX戦略事例のストックをたくさん持っておいた方がスラスラ戦略や実行計画を記載しやすくなりますので、受験者はIT戦略事例をニュース等で調査しストックしておくことが推奨されます。

この活動自体が非常に意義があるもので、他社のIT戦略/DX戦略事例を知ることで自社の戦略を考える際のヒントになりますし、今後システム企画等の上流工程の仕事をする場面でも大いに役立ちます。

実際筆者もITコンサルタントとして企業のIT戦略/DX戦略を考える際は、他社事例を大いに参考にした上でクライアント課題に沿った形で提案しています。

「他社事例をストックするきっかけになる」という意味で、ITストラテジスト試験は役に立つ、と言えるでしょう。

 

3. 資格としての権威性が高く対外的な説得力が増す。

3つ目のメリットは、ITストラテジスト試験自体の権威性です。

ITストラテジスト試験を運営する「IPA – 情報処理推進機構」が発行する資格は、IT業界だけでなく日本のビジネスシーンにおいて、「IT系の資格といえばIPA」と言っても過言ではないくらいの権威性を持っています。

つまり「IPAが発行する資格」は自身のITスキルを客観的に証明するのに最も適した資格と言えます。

その意味でIPAが運営する試験の中でも「高度情報処理技術者」に該当するITストラテジストの資格を持っていることは、対外的に「自分はIT戦略立案を立てることができる、または相当する知識を持っている」と証明することに等しいでしょう。

筆者自身、クライアントとの面談時に「ITストラテジストを持っているのであれば安心だ。」というお言葉を何度も頂きました。

もちろん資格だけでなく実務経験も重要なのは言わずもがなですが、ITストラテジストの資格を持つことには大きな意味があります。

 

以上が、「ITストラテジスト試験を取得することのメリット」でした。

では逆にデメリットはあるのか、と気になりますよね。

筆者は「ITストラテジストが役に立たない」と言われる所以が、以下試験自体のデメリットにあると考えます。

 

デメリット

  1. 試験を合格するには短い時間で長い論文を手書きで書く必要がある。
  2. 解答の「型」があり、過去問を機械的に演習することで合格することができる。
  3. 既にIT戦略立案を業務で行なっている、かつ応用情報技術者レベルの知識を有している人にとっては新たに身につく知識ない。

 

1. 試験を合格するには短い時間で長い論文を手書きで書く必要がある。

個人的にこのデメリットが最も「ITストラテジスト試験は役に立たない」と言わしめる原因だと考えています。

ITストラテジスト試験では試験時間である2時間の間に、説明文を読んで課題を分析し、解決策を提示するのに2,000~3,000文字の論文を書く必要があります。

しかも手書きです・・・

課題も特定できていて、解決策も実行の際に気をつけるべきポイントも分かっているのに、最後まで書き切ることができなくて不合格になる、なんてことがよく起きます。

そうなると合格するためには、「いかに早く論文を書くか」という点ばかりに集中してしまい、「IT戦略を立案するための知識を身につける」という本来の目的から「資格を取るために論文を早く書く特訓をする」ことが目的になってしまい、結果「意味ないんじゃ・・」となってしまうわけです。

しかし、「説明文を読んで課題と解決策が瞬時に思いつく」スキルを磨くことには意味があり、このスピードを磨くことよって時間内に論文を書き切る努力をするのは正しい方向性です。

ぜひこのような考え方でモチベーションを保って欲しいと思います。

 

2. 解答の「型」があり、過去問を機械的に演習することで合格することができる。

2つ目のデメリットも1つ目と似ていて、「ITストラテジスト試験を突破するための攻略法」の練習になってしまう、という点です。

IT戦略を立案するスキルが十分になくても過去問の攻略ができていれば合格できる可能性がありますので、その意味で「ITストラテジスト試験は役に立たない」と言われる所以だと考えます。

しかしここでもITストラテジストの資格を取得する意義をもう一度考えていただきたく、「試験に合格する」のが目的ではなく、「IT戦略を立案できるだけの知識を身につける」のが目的なのです。

なので過去問の演習をする際も、「なぜこの課題を特定し、なぜこの解決策を解答したのか。他の解決策はないか。実行計画で考慮できていない点はないか。」とただ過去問の解答を覚えるのではなく、「自分だったらどうIT戦略を立案するか」を考えることでIT戦略を立案するスキルが身につくはずです。

 

3. 既にIT戦略立案を業務で行なっている、かつ応用情報技術者レベルの知識を有している人にとっては新たに身につく知識ない。

これは既にITストラテジスト試験を合格するに足る知識を持っている方にとって感じるデメリットだと思います。

知識は持っていても、上記1・2のデメリットがあるが故に、ITストラテジスト試験が合格できず、「ITストラテジスト試験って役に立たないんじゃ・・」と考えられてしまう所以です。

しかしITストラテジストの過去問や演習をこなしていくと、意外と知らない領域があったり考慮できていないポイントにハッと気付いたりします。

筆者自身も「確かにこの観点は業務で考慮できていなかったな」だとか、「この技術を使った方がより業務にインパクトを与える戦略になるな」と、ITストラテジスト試験の学習を進める中で多くの気づきがありました。

このような「気づき」を得られるため、既に知識を持っているからといって一概に「ITストラテジストは役に立たない」とは言えないでしょう。

 

結論

「ITストラテジスト試験は役に立たない?」

この問いに対する結論は・・・

 

「資格の取得」を目的にすべきではなく、「資格を取得することによって得られる知識」を目的にすることで、「ITストラテジスト試験は役に立つ」

 

とまとめさせていただきます!

 

最後に

以上、「ITストラテジストの資格を取得する意義」を解説しました。

本記事を通して少しでも、皆さんがモチベーションを新たに、ITストラテジスト試験を合格し、新たなキャリアの一歩を踏み出せることを祈っています。

本記事の執筆者である KICK ZA ISSUE株式会社が運営する「コンサルデータバンク」では、このようなITコンサルタントに役立つ情報を大公開しています。

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以上になります。

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それでは!

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