こんにちは。Day1 キャリア です。
株式会社リクルートが提供する転職支援サービス『リクルートエージェント』における 『2022年度下半期の中途採用動向調査』によると、2023年度通期の中途採用計画で採用意欲が高いと考えられる業界(「大幅に増やす」と「増やす」の合計値で比較)は、IT通信業界につづいて2番手がコンサルティング業界となっています。
採用意欲が高いとはいえ、異業種や未経験からのコンサルティング業界転職は簡単ではありません。
「コンサルティングファームの面接って何を聞かれるの?」
「コンサルの面接に合格するためのポイントは?」
コンサルタントを志望している方の多くは、上記のような疑問や悩みを抱えているのではないでしょうか。
コンサルタントはクライアントのビジネス課題の解決を支援する仕事で、課題解決のプロフェッショナルでもあります。
事業会社と比較すると就職難易度が高いと言われており、コンサルティングファームへの就職を検討している場合は面接対策が重要です。
本記事では、以下を中心にコンサルの面接を受ける際のポイントや面接で評価されるポイントについて解説していきます。
- コンサルティングファームの面接
- ケース面接
- コンサルティングファームの面接で評価されるポイント
コンサル面接に合格するためのポイントを理解できるので、コンサルティング業界への転職を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
この記事について
- コンサルファームの面接の概要が分かります。
- ケース面接の代表パターンと対策が学べます。
- たった3分で読めます。
こんな方は必ず読んでください
- コンサル業界への転職を考えている方。
- コンサルタントに興味がある方。
- 自分のスキルを活かして仕事をしたい方。
この記事の信頼性
- 実際に筆者はコンサルタントとして大手コンサルティングファームで働いた経験があります。
- 多くの現役コンサルタントにヒアリングし、本当に役に立つ情報のみを発信しています。
なお「コンサルタントに興味はあるが、激務のイメージで踏み出せない…」という方は、以下記事でコンサルタントの仕事内容や”コンサルはやめとけ”と言われる理由について解説しています。ぜひ読んでみてください。
コンサルはやめとけ!コンサルがきついと言われる理由と働き方の実態を解説それでは解説していきます。
コンサルティングファームの面接
コンサルティングファームの面接といっても、基本的な一般企業の面接と同様に進められる部分が多いことも事実です。
具体的にどのような流れで面接が進むのか、各パートの面接時間はどのくらいか、本章では一通り整理していきます。
選考の流れ
選考の流れは基本的に、書類選考→テスト→面接(オファー面接)→入社承諾という一般的なものが多いです。
書類選考では、履歴書・職務経歴書の提出を行い、ここから選考がスタートします。
新卒採用時は主に学歴やいわゆるガクチカが評価されていましたが、中途採用ではこれまでの職歴の中で得た経験や受賞歴などが主な評価対象となります。
書類選考に通過するとテストを受けることになります。
昨今ではWEBテストで完結することが多く、一般教養・論理的思考力が多く問われます。企業によりますが、一般的には候補者の足切りの意味合いで用いられることが多いため、高得点を狙う必要性は低いです。
これらを通過すると、やっと面接に進むことができます。
コンサル業界における面接は、中途採用の場合は2〜3回であることが多いです。
面接はオンラインと対面を併用することがあり、最終面接はオフィスに出向いて受ける、というケースがほとんどです。
その後は内定・入社となりますが、その前に雇用条件のすり合わせや質疑応答のためのオファー面接が設けられています。
オファー面接時は内定をもらっている状態のため、面接官からの評価を気にせず、自信を持って希望条件を伝えることが望ましいです。
面接時間・内訳
面接時間は企業によって様々ですが、基本的には30分〜1時間で行われます。
各パートの内訳の一例を紹介します。
自己紹介・アイスブレイク(10分程度) | 簡単な挨拶と自己紹介を行います。候補者の自然な人となりを評価するため、アイスブレイクの時間を大切にする企業は多いです。 |
面接官からの質問(30分〜40分程度) |
面接官から、これまでの経歴・志望動機を中心に質問を受けます。面接の肝となるパートとなります。 特に、コンサル業界においては「ケース面接」と呼ばれるものがあります。具体的な課題解決スキルを評価されるため、必ず対策が必要になる部分です。 |
逆質問(10分程度) |
最後に候補者側からの逆質問の時間が設けられます。 候補者に何気なく振られる質問ではなく、質問内容もまた評価対象となっていますので、あらかじめ質問内容はしっかりと準備をして臨みましょう。 |
ケース面接
コンサルの面接では、ケース面接と言われる特殊な選考があります。
事業会社で実施されることはあまりないため、コンサルティング業界を志望する方は対策が必須です。
本章からはケース面接について解説していきます。
ケース面接とは
ケース面接とは、面接中に面接官から課題が与えられ、一定時間思考した後に課題に対する解決策や解答をアウトプットするという面接です。
そして、自分の解答に対して、面接官から質問やフィードバックされながらディスカッションしていくという流れになります。
ケース面接では、論理的思考力や課題解決能力を評価されるため、与えられた課題に対して論理的に思考することができているのかや導き出した答えを適切にアウトプットできるかが見られています。
面接官からの質問に対しても、コミュニケーションに齟齬がないかも評価が分かれるポイントです。
出題されることが多いケース面接は大きく以下の4種類に分けることができます。
- パターン①:売上推計・売上拡大
- パターン②:利益把握・利益拡大
- パターン③:2つの選択肢から意思決定
- パターン④:公共課題解決
それぞれのパターンには、答えを導き出すポイントがあるため、事前に対策をしておきましょう。
ここからは各パターンについて解説していきます。
パターン①:売上推計・売上拡大
売上推計・売上拡大とは、「想定状況における売上を算出し、それをもとに具体的な施策を導き出す」能力を問う問題のことです。
売上の推計には「フェルミ推定」を用います。
売上は「数✖️単価」で求められます。具体的な問題を用いて解説します。
例題: 条件: |
今回の場合、数は「客数」として考えることができます。また、喫茶店の場合の単価は自身の経験から500円程度と考えて良いでしょう。
1人の滞在時間を1時間と考え、満席になる夕方の1時間あたりの回転数を1とします。
その際の客数は、喫茶店の繁忙時間は夕方と仮定して以下のように推定できます。
・10時~13時:0.3回転⇒50席×0.3×3時間=45人
・13時~15時:0.5回転⇒50席×0.5×2時間=45人
・15時~18時:1回転⇒50席×1×3時間=150人
・18時~19時:0.3回転⇒50席×0.3×1時間=15人
以上により1日の客数が255人と推計できました。
客単価が500円なので、売上は12万7500円となります。
パターン②:利益把握・利益拡大
利益把握のパターンの場合、前述の売上推計の場合と似た解法で求められます。
例題: 条件: |
この場合も、フェルミ推定と要素の分解が重要になります。
利益は「売上−経費」で求められますが、今回は経費の情報が与えられていないため、推測が必要になります。
飲食店の経費としてかかってくるのは「人件費、光熱費、家賃、原材料費」が主であると推測できるため、面接時間を考慮して可能な限り分解していくことが大切です。
利益拡大を検討する場合のアプローチは、「売上を上げる」「経費を下げる」の2軸で考えていきます。
今回は10%の利益拡大を求められています。例えば現状の利益が30万円なら、33万円までの引き上げを求められていることと同値です。
改めて「人件費、光熱費、家賃、原材料費」を考えると、家賃を除いた要素は変動費として扱うことができます。
ここで「人件費、光熱費、原材料費」は、店の売上と相関があると考えることができます。
例えば、店が繁盛していれば人員を増やす必要がありますし、光熱費や原材料費はオーダー数に比例して増えていくことが容易に想像できます。
そのため今回は、「経費を下げる」のアプローチが不適とみなすことができるため、「売上を上げる」にフォーカスして思考することが適切です。こうすることで、パターン①を同様の思考ルートを辿ることができるようになります。
パターン③:2つの選択肢から意思決定
いわゆる「二者択一系問題」と呼ばれる有名なパターンです。
ある課題に対し、やるべきか・やらざるべきかということを根拠とともに判断する問題になります。
この問題のポイントは、意思決定を左右する要因はどこにあるか、を見極めることです。
出題例: ・小学校のプログラミングは必修化すべきか ・働き方改革は必要か ・カジノは日本に必要か ・働き方改革を推進すべきか ・経団連の就活ルール導入に賛成か反対か |
パターン④:公共課題解決
最後に、公共課題解決問題です。
社会の大きな問題を解決する方法を考える問題です。ポイントは、誰の視点で考えるか・どのスパンに絞り考えるかという2点になります。
出題例: ・花粉症患者を減らすには ・東京の朝の通勤ラッシュを減らすには ・労働人口を増やすには |
公共問題においても、言葉の定義から始めます。
「スギ花粉症患者に絞る」
「対象エリアを関東圏に絞る」
「労働人口を正社員のみに絞る」
これらの定義づけを行った後に思考を行うと、スムーズに検討が進みます。
コンサルティングファームの面接で評価されるポイント
中途転職者がコンサルティングファームの面接で重視されるポイントは、以下の2つです。
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
それぞれの評価ポイントについて解説していきます。
論理的思考力
コンサルタントの素養として最も評価される項目の一つです。
論理的思考力とは、複雑な物事を簡単な要素に分解し、道筋を立てて整理する能力のことです。
前述のフェルミ推定にもあるように、複雑な問題から課題を抽出し、細分化した要素のうちの可変部分を最適化する能力は、コンサルタントとして業務を遂行する上で求められるスキルとなります。
例えば面接の際、自分の強みを伝えるだけでなく、それを裏付ける過去の出来事やそこから得た学び、今後どのように転用していくかなどを話せると面接官にとって納得度の高いトークを展開することができます。
また、コンサル業界ではよく「結論ファーストで話す」ように言われることがあります。
これも、論理的に会話を展開していくテクニックの一つです。
初めに結論を伝え、その上でその結論に辿り着いた背景や経緯を述べていくと、内容が伝わりやすいと言われています。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、主に3つの能力に分けることができると言われています。
一つ目は、相手の話を理解する能力です。
コンサルタントは、自分の全く知らない業界の経営課題に踏み込むことが多い職業です。
そのため、クライアントとなる経営者の話を理解することは容易ではありません。会話の中から最も重要な要素を抜き出すことができなければ、適切な提案を行うことはできません。
面接の際も面接官の質問をただ鵜呑みにするのではなく、本当に相手が欲しい情報は何か、を理解する姿勢を忘れないようにしましょう。
二つ目は、相手に話を伝える能力です。
ただ情報をありのまま伝えるだけでは、コンサルタントの介在価値は低くなってしまいます。相手にわかりやすく、端的に情報を伝える能力こそ、真に求められる能力といえます。
そのためには、情報から要素を抽出・分解して論理的に道筋を立てて話すことを意識しましょう。
自分一人で淡々と話すのではなく、面接官の表情や態度やリアクションを見つつ丁寧に会話を進めるようにしましょう。
三つ目は、相手と円滑な会話を進める能力です。
前述の二つの能力を掛け合わせる、テンポよく会話のキャッチボールを行うことが大切です。
自分ばかり話していても、相手がついて来れなければ伝わるもの伝わりません。
相手が退屈していればスピード感を持って、腑に落ちない顔をしていれば丁寧に、柔軟に調整しながら進めていきましょう。
これらはいずれも論理的思考力の上に成り立つ能力です。
面接官の話を分解して構造的に理解する、自分の伝えるべきことを端的に伝える、会話のキャッチボールを丁寧に行う、これらを意識して面接に臨みましょう。
最後に
この記事ではコンサルの面接に合格するためのポイントについて解説してきました。
コンサルの面接では論理的思考力やコミュニケーション能力が評価の中心になり、高いレベルでのスキルが問われます。
一般的な面接で聞かれる志望動機や自己PRを整理しておくことも重要ですが、上記のスキルを発揮したエピソードや面接中の立ち振る舞いも重要になります。
また、コンサルの面接ではケース面接と言われる特殊な選考があります。
ケース面接は本記事で紹介したように4つのパターンに分けることができるため、事前に対策をしておきましょう。
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