こんにちは。Day1 キャリア です。
2022年11月の公開当初から大きな話題になっているChatGPT。
ChatGPTへのアクセス数は、日本が世界で3番目に多いと発表されています。
(引用)株式会社野村総合研究所 , 日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点), https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0526_1
一方、ビジネスの分野でもChatGPTの活用やその検討が進んでおり、その割合は日本企業の60%を超えています。
そのため、現在行われている多くの業務に対してChatGPTが影響を与える可能性は高いと考えられています。
コンサル業界でも同様に活用が進んでおり、ChatGPTによりコンサル業務そのものがなくなるのでは、とも言われています。
この記事ではChatGPTとは何か、コンサル業界への影響、活用の際の課題点と活用事例、コンサル業界の将来像について解説します。
ChatGPTを活用したコンサル業界やコンサルタントの在り方を知りたい方はぜひ参考にしてください。
この記事について
- ChatGPTとは?について分かります。
- ChatGPTが与える影響とコンサル業界の未来を理解できます。
- たった3分で読めます。
こんな方は必ず読んでください
- コンサル業界に興味がある方。
- 現役コンサルタントの方。
- ChatGPTを活用したい方。
この記事の信頼性
- 本記事を執筆する筆者はこれまでITコンサルタントとして活動し、多くの企業のDX推進を支援してきました。
- 複数のコンサルタントの方へのインタビューを通し、記事の信頼性を確認しています。
- 広告が目的ではないため、正しい知識を身につけることができます。
それでは解説していきます。
ChatGPTとは?
ChatGPTは米OpenAI社が開発し、2022年11月に公開した人工知能チャットボットです。
GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、事前に訓練されたモデルを用いて生成される回答が、人間らしい自然な表現であることを特徴としています。
この特徴により、ChatGPTは公開された当初から広く話題となり、その可能性に対する期待が高まりました。
お願いしたいことや調べたいことをテキストで入力すると、まるでリアルタイムに会話しているように回答を生成してくれます。
更に日本語でもやり取りできるので、誰でも気軽に試してみることができます。
またChatGPTは利用者との過去の会話を記憶しています。そのため、個人に合わせて最適化された回答を提供することができるのです。
ChatGPTの登場により、人工知能の応用範囲がさらに広がり、コミュニケーションや情報処理の新たな可能性が開かれました。
その革新的な性質は、今後あらゆる業界に大きな影響を与えることが想定されています。
ChatGPTがコンサル業界に与える影響
ではChatGPTの出現により、コンサル業界にはどのような影響があるのでしょうか?
ここでは以下4つの影響について解説します。
- 業務の自動化
- 人為的なミスの削減
- 情報収集・分析の効率化
- 顧客とのコミュニケーションの迅速化
1. 業務の自動化
まず1つ目は業務の自動化です。
コンサルタントはChatGPTを活用することで、これまで手作業で行っていた業務を自動化することが可能です。
例えばこれまではミーティング後の議事録はコンサルタントが作成していました。ですが、録画した情報をChatGPTに渡すことで、ChatGPTが議事録を自動的に作成してくれます。
更にChatGPTは議事録から決定事項や宿題事項のサマリを作成することも可能です。
情報の抽出と整理を迅速かつ正確に行うことができるので、コンサルタントは議事の重要ポイントを素早く把握することができます。
また、ChatGPTは資料の作成においても有用です。
資料のテーマをChatGPTに伝えて、資料の構成案を作成してもらうことが可能です。
構成案ができたら、次は各項目の文章についてもChatGPTにキーワードを伝えて作成することができます。
顧客から短時間での資料作成を依頼された場合も、ChatGPTを有効活用することで比較的簡単に要望に応えられます。
2. 人為的なミスの削減
2つ目は人為的なミスの削減です。
コンサルタントが作成した資料の中には誤りが含まれる可能性があります。
資料の中に誤りが含まれると、顧客やその関係者に誤った情報を提供してしまい信頼を損ねてしまうかもしれません。
ChatGPTは文書や資料の内容を解析し、一般的な文法や表現の問題を指摘することができます。
また、明らかな誤りや不自然な表現を特定することも可能です。
またChatGPTは文章の校正にも使用可能です。
例えば1文当たりの文字数を指定することで、それより長すぎる場合に指摘することができます。
更に冗長な表現や複雑な文章を簡潔にまとめ直すこともできます。
これらにより、人為的なミスを削減し、コンサルタントが作成した資料の品質を一定に保つことができます。
人為的なミスを最小限に抑えることで、質の高いサービスを提供し、顧客が目指す価値の実現をリードすることが可能となります。
3. 情報収集・分析の効率化
3つ目は情報収集・分析の効率化です。
コンサルタントはChatGPTを活用することで、より迅速かつ効果的に情報を収集し、分析することが可能になります。
ChatGPTを用いて情報収集を行う場合、調べたい情報のキーワードを入力して質問します。すると、人間と会話しているような形で膨大な回答を得ることができます。
これにより、検索エンジンで検索して1つ1つのWebページを開いて情報を確認する手間が省けます。
ChatGPTは膨大な情報から瞬時に情報収集することが可能なため、情報収集プロセスを劇的に簡素化することができます。
さらに、収集した情報をChatGPTに投入して分析を行うことで、短時間で適切な結果を得ることができます。
この際にChatGPTに分析の観点を指示するだけで、コンサルタントは戦略的な洞察を短時間で手に入れることができます。
4. 顧客とのコミュニケーションの迅速化
4つ目は、顧客とのコミュニケーションを迅速化できる点です。
顧客との円滑な関係構築のためには素早いコミュニケーションが不可欠です。
ChatGPTを活用することで、迅速なサポートを提供し、顧客との関係をより効果的に管理できます。
具体的には、ChatGPTによって事前に学習させた回答内容を活用することで、顧客の質問や疑問に即座に対応できます。
これにより、顧客満足度を向上させ、強固な信頼関係を築くことができます。
特に、繰り返し発生する質問や一般的な疑問にはChatGPTを活用できます。
ChatGPTにこれらのパターンを学習させることで、コンサルタントは同じ質問に何度も答える手間を省くことができます。
これにより、コンサルタントはより価値のある業務に集中し、より効率的に業務を進めることができます。
コンサル業界でChatGPTを活用する際の課題と対処法
コンサル業界でChatGPTを活用する際には、様々な課題も存在します。
主な課題とその対処法を一覧にまとめました。
課題 | 対処法 |
不正確な情報 大規模なデータをベースに回答を生成するが、誤った情報を含む可能性がある |
– ChatGPTが生成した回答を鵜呑みにせず、重要な部分に関しては自身で根拠を確認する。 – 業務の効率性を保ちながら、顧客からの信頼を損ねないよう注意する。 |
過剰な依存 ChatGPT に依存すぎると、コンサルタントの問題解決能力や創造力が怯える恐れがある |
– ChatGPTに依存せず、自身の問題解決能力や創造力を維持する。 – ChatGPTの活用にバランスを持つよう努める。 – 課題解決時にはまず自身で解決策を検討し、ChatGPTを補完的に活用する。 |
セキュリティ ChatGPTを活用する際、情報漏洩のリスクがある |
– 自社の規定や顧客との合意事項を確認し、機密情報や個人情報を適切に取り扱う。 – ChatGPTへの情報投げかけに慎重になり、情報漏洩のリスクを最小限に抑える。 |
コンサルタントの役割の変化
では次に、ChatGPTによりコンサルタントの役割はどのように変化するのかについて解説します。
これまで見てきたように、ChatGPTを適切に活用することで、コンサルタントはより高度な業務に集中することができるようになります。
しかし、この「適切に活用する」というところがポイントです。
コンサルタントは自身の業務のどの部分にChatGPTを活用できるのか見定める必要があります。
活用できる業務が見つかったら、次にChatGPTに対して適切に指示を与えます。
例えば、データ分析や資料の作成、顧客とのコミュニケーションなどが挙げられます。
ChatGPTを有効に活用できる場面を見極め、それらの業務に効果的に導入することが重要です。
そうすることで、コンサルタントは自身の一部業務の効率化や質を向上させることができます。
結果として、コンサルタントはより高度な業務に注力し、顧客により価値のあるサービスを提供することができる様になるでしょう。
ChatGPTを活用した事例
現在、非常に多くの企業がChatGPTを開発したOpenAI社とのグローバルパートナーシップを締結しています。
コンサルティング業界でいうと、アメリカのコンサルティング会社であるベインアンドカンパニーが挙げられます。
業務提携に至った経緯を、同社はOpenAI社の技術を導入したことで、ナレッジマネジメントシステムやリサーチ、プロセス改善が実現できたこととしています。
同社はOpenAI社との業務提携により、コカ・コーラ社を支援したことも公表しています。
また、同社はOpenAI社と連携し、ChatGPTを用いて顧客に価値を提供した例を挙げています。
具体的には、広告対象者に合わせた画像やメッセージ、広告コピーを作成し、マーケティング担当者の業務効率化を支援したとのことです。
他にも、スーパーマーケットに対して、オンライン食料品チャットボットを提供した取り組みも紹介されています。
ベインアンドカンパニーとOpenAI社との業務提携は、新たな時代の到来を予感させるものです。
両社の先進技術と経験が結集し、顧客体験の向上や業務効率化に向けた革新的な取り組みが行われています。
今後もコンサルティング業界では、両社のような連携が増え、より多くの顧客に価値を提供し、ビジネスの成長を支えていくことでしょう。
ChatGPTとコンサル業界の将来像
では次にChatGPTにより、コンサル業界は将来どのようになるかを解説していきます。
自動化や効率化による生産性アップ
ChatGPTを用いることで、業務の自動化や効率化が実現されると、コンサルタントの生産性は飛躍的に上がります。
コンサルタントの仕事の中には、議事録作成や情報収集、資料作成など、決まったパターンの業務が含まれています。
また、顧客からの簡単な問い合わせへの回答なども行うことがあります。
ChatGPTに適切に指示を与えることで、これらの業務を任せられるようになります。そして、コンサルタントはより戦略的かつ創造的な業務に専念できます。
例えばコンサルタントはChatGPTが収集した情報から、顧客とのやり取りを踏まえて、新しい価値を生み出す方法を考えることに注力できます。
いくつかの方法を考えたら、ChatGPTに投入することで、膨大なデータに基づいた結果の予測を得ることができます。
このように情報収集から結果予測までChatGPTを活用することで、コンサルタントの生産性は大きく向上することが見込まれます。
生産性向上の結果、1人でより多くの案件を担当できるか、顧客とのプロジェクト期間を短縮できる可能性があります。
このような効率化は、コンサルタントの業務効率性だけでなく、顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。
ナレッジの一元管理による質の向上
ChatGPTを活用することで、ナレッジの管理がより効率的に行えます。
業務を通じて得たノウハウや知識をChatGPTに登録し学習させます。
そのようにすることで、自身が知りたい内容をChatGPTに質問すると、学習した情報を元に回答してくれます。
自社内での情報が蓄積されると、企業内の他のメンバがChatGPTに問いかけることで、社内での解決事例に簡単にアクセスできるようになります。
これにより、他メンバが過去の解決事例を効率的に参照しながら顧客への提案を作成することができるようになり、提案の質が向上します。
まとめ
以上、ChatGPTが与える影響とコンサル業界の未来について解説しました。
ChatGPTはコンサルタントの全ての仕事を代替することはできません。
ChatGPTに効率的に業務を任せることにより、コンサルタントはより戦略的で創造性の高い業務に注力することができるようになります。ただし、ChatGPTを使用する際はその業務に適しているのか見極め、十分に注意しながら活用する必要があることをご紹介しました。
コンサル業界でChatGPTを活用することは、単なる技術導入にとどまらず、業界の変革を促す可能性を秘めています。
革新的な取り組みを通じて、顧客へより効率的で価値あるサービスが提供することができます。
それにより、顧客ビジネスでも新たなイノベーションが生まれていくことでしょう。
なお本記事を執筆しているKICK ZA ISSUE株式会社では日本全国のコンサルタントが集まる「コンサルデータバンク」というサービスを運営しています。
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