こんにちは。Day1 キャリア です。
企業内外の様々な要因により採用難時代と言われている現代において、急速に注目が集まっている職種の一つに「採用コンサルタント」があります。
注目されている背景として、
- 企業の人事担当からキャリアアップしたい
- 専門知識を活かして柔軟な労働環境や高収入の機会を得たい
という方が増えています。
実際に企業の中途採用活動の実施率は増加しており、2023年6月には前年同月比+4.4ptとなっています。

引用:2023年7月度 中途採用・転職活動の定点調査(マイナビ キャリアリサーチLab)
近年企業の採用活動が活発化している背景には、新型コロナウイルス感染症の規制解除による経済活動の持ち直しが挙げられます。
一方で大手転職求人サイトを運営するビズリーチの発表によると、即戦力人材(中途求職者)の採用難易度が職種問わず上がっていると感じる企業が半数以上となっており、積極的に採用活動を行っているものの採用に課題を感じている企業が多いことがわかります。

引用:直近1年間で即戦力人材の採用難易度は上がっていると感じるか(ビズリーチ 2023/3/27 発表)
こうした状況において、企業の採用に関する支援を行う採用コンサルタントは需要を拡大しています。
需要増加にともなう待遇の向上により、キャリアアップの選択肢として採用コンサルタントを目指す方が増えているのです。
しかし、
- 何をしている職業なのか
- どんなスキルが必要なのか
- どんなステップを歩めばいいのか
などの疑問から、実際に行動に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、採用コンサルタントの仕事内容、必要なスキルやキャリア、そして実際になる方法について解説していきます。
生産年齢人口の下降傾向が続くとされる中、今後ますます需要が高まっていく職種になりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事について
- 採用コンサルタントの仕事内容について学べます。
- 採用コンサルタントになるために必要なスキルが分かります。
- たった3分で読めます。
こんな方は必ず読んでください
- 採用コンサルタントへの転職を考えている方。
- 採用コンサルタントについて必要なスキルが具体的に理解できていない方。
- 採用コンサルタントに興味がある方。
この記事の信頼性
- 実際に筆者は採用コンサルタントとして活躍しています。
- 収入アップはもちろんスキルアップにも繋がっています。
- 多くの現役採用コンサルタントにヒアリングし、本当に役に立つ情報のみを発信しています。
それでは解説していきます。
採用コンサルタントの仕事内容
採用コンサルタントは、採用に関するアドバイスやサービスを提供する職業です。
企業や組織が抱える採用に関する課題の発見や、解決に必要な情報やアドバイスを提供し、採用戦略の実行や改善を支援します。
しかしこれだけだと、イメージが付きにくいかと思います。
そこで、
- 具体的にどんな案件を扱っているのか
-
他の職種とどう違うのか
という観点で見ていきましょう。
具体的な案件例
それでは実際に業務委託で募集されている採用コンサルティング案件を見てみましょう。
過去に募集されていた内容を一部編集し、記載しています。
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業務内容
IT関連企業において、体制強化のため中途における採用方針立案と人事戦略立案プロジェクトを支援していただきます。
中途採用方針立案では採用ターゲット設定からチャネル選定・リファラル制度企画・コスト算定・採用担当へのアドバイザリー等を、人事戦略立案では退職抑制企画等を行って頂ける方を募集しています。
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上記の内容を端的にまとめると、「体制強化のため中途採用と組織設計を推進していきたいが、自社では十分な知見がないため、外部から助言やマネジメントをしてほしい」という内容となっています。
このように事業の拡大に伴う体制強化のため、採用を拡大したい企業が多くあります。
しかし、採用媒体の増加やそれに伴うエージェント対応の負担、求職者の多様化などにより採用活動は複雑化しているため、自社でノウハウやリソースを確保できない企業がたくさんあります。
採用コンサルタントは、そういった企業に対し
- 「企業成長のためにどんな採用戦略をとるべきなのか」
- 「どのようにして適切な人材を獲得するか」
- 「実際にどんな採用プロセスを行っていくべきなのか」
をコンサルティングしていく職種なのです。
人事コンサルタントとの違いは
採用コンサルタントと類似した職業の一つに「人事コンサルタント」があります。
どちらも企業や組織における人材領域を担う専門家といえますが、その役割と業務内容には違いがあります。
人事コンサルタント | 採用コンサルタント | |
役割 |
人事戦略の立案と実行に焦点を当て、組織全体の人材管理に関する課題に対処します。 |
主に採用プロセスに焦点を当て、企業が新しい従業員を採用する際の支援を行います。 |
主な業務内容 |
・人事戦略の策定と実行 |
・人材要件調査、市場調査と競合分析 |
要するに、企業に新たな人材を取り込むこと(= 採用活動)にフォーカスしているのが「採用コンサルタント」、すでに企業に属している人材を対象とした戦略策定に特化しているのが「人事コンサルタント」です。
どちらの職業とも、人材活用による組織の体制強化という最終目的は同じです。
企業は自社の状況に応じてそれぞれの専門家を活用し、自社が抱える人材関連の課題に対処して組織の体制強化に取り組みます。
採用コンサルタントに必要なスキル・知識
それでは次に、採用コンサルタントとして活躍する上で必要となるスキルを見ていきます。
採用に関する幅広い知見
採用コンサルタントには、採用に関する専門的な知識が必要です。
具体的には、以下の6つに関する知見が求められます。
1. 労働市場の最新トレンド
求人市場の変動、人材の需要と供給、業界ごとの特異点などを理解し、クライアントに対して助言できるようにすることが重要です。
2. 採用プロセス
採用の各フェーズについて深い理解が必要です。
求人広告の作成、応募者のスクリーニング、面接、オファー交渉、オンボーディングなど全てのプロセスを詳細に把握し、クライアントに最適な手法を選択できる能力が求められます。
3. 採用マーケティング
良質な母集団(採用候補となる人材の集団)形成のための採用マーケティング戦略に詳しいことが必要です。
効果的な求人広告の作成、SNSの活用、企業ブランドの構築などに関する知識が役立ちます。
4. インダストリーや業界知識
特定の業界に関する知識があると、業界固有の採用課題やニーズに対応できます。
5. 候補者の評価方法
候補者のスキル、経験、適性を評価するための様々な評価方法について知識を持つ必要があります。
面接技術やアセスメントセンターの運用方法を理解し、候補者の適合度を正確に判断できるスキルが求められます。
6. 採用媒体、採用ソフトの知識
採用プロセスの効率化のために、採用媒体や採用ソフトウェア、データ分析ツールを活用するスキルが必要です。
ビジネスに関する知見
コンサルタントである以上、ビジネスサイドの知見も求められます。
業界構造や課題を知った上でヒアリングを行うことで、クライアントが取るべき打ち手が見えてきます。
そのため、採用に関する専門知識に加えてビジネス情報のキャッチアップも必要となります。
プロジェクトマネジメント力
採用戦略の策定と実行はプロジェクトとして管理されることが多いため、プロジェクトマネジメントスキルが必要です。
特に、採用活動は長期的なプロジェクトとなるため、スケジュールの策定、予算管理、進捗管理などが含まれます。
採用コンサルタントとして活躍するためには、的確な計画立案とディレクション能力が求められるのです。
コミュニケーション力
採用コンサルタントは、コミュニケーション力も重要です。
多くの場合、採用戦略の策定にはクライアントの内部チームとの連携が必須です。
クライアントの要件や期待を理解し、適切に伝えるスキルが求められます。
ソフトスキル
コンサルタントとして非常に重要なのが、ソフトスキルです。
採用戦略が決まった際、クライアントはそのプロジェクトに多額の予算を割いていくこととなります。
経営陣も慎重に意思決定をする分、コンサルタントは「信じるに値する提案」をしなくてはなりません。
分析や問題解決、プレゼンテーションを高いレベルで実施することで、経営陣も意思決定の判断ができるのです。
これらのスキルを習得し、経験を積むことで、優れた採用コンサルタントとしてのキャリアを築くことができます。
採用コンサルタントになるためのステップ
それでは具体的にどのように採用コンサルタントになれば良いのでしょうか。
ここでは新卒・第二新卒の場合と、中途の場合に分けて解説します。
新卒・第二新卒の場合
新卒・第二新卒の場合は、ポテンシャル採用から採用コンサルタントになることが可能です。
「マイナビ」、「パソナ」などの大手採用エージェントや、「リクルートマネジメントソリューションズ」や「コーン・フェリー・ジャパン」といった人材コンサルティング会社など、多くの企業で新卒採用を行っています。
採用コンサルタントに必要なスキルのうち、学生のうちから身につけられるものとして「コミュニケーション力」を培っておきましょう。
人事や採用に関するインターンシップに参加して、業界の基本的な知識を学ぶことも効果的です。
人材コンサルティング業界は人気が急上昇しており競争が激しいため、十分な面接対策をする必要があります。
面接対策をしっかり行い、自分の志向やキャリア目標を明確に伝える準備をしましょう。
中途の場合
中途の場合、採用コンサルタントと関連のある業界での経験を積んでいくことが求められます。
王道のルートが、人事、採用、リクルーティング、人材開発などの分野からの転職です。
なぜなら、採用コンサルタントと非常に近い経験が得られるためです。
特に転職先として狙うべきは、採用に関する幅広い領域を請負っている転職エージェントです。
事業会社の人事担当や採用担当などと異なり、業界や業種を問わずに採用コンサルタントと近い業務を経験できるからです。
採用コンサルタントの仕事に活かせる資格
最後に、採用コンサルタントが取るべき資格についてご紹介します。
未経験の場合は採用に関する知識があること、経験者であれば高いスキルを持っていることを証明しなくてはなりません。
そのため、実際に採用コンサルタントとして就職・転職したい方は、ぜひ挑戦してみてください。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、2016年4月に国家資格となった資格です。
キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことをいいます。
キャリアコンサルティングを通じて、自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、社会や企業内にある仕事について理解することにより、その中から自身に合った仕事を主体的に選択できるようになることが期待できます。
引用:https://www.jcda-careerex.org/
つまり、新卒者や中途求職者といった「仕事を探している人」や「働いている人」の相談相手となり、その人自身がより働きやすくなるような助言を行うのがキャリアコンサルタントです。
名称独占資格であるため、資格を取得した人しかキャリアコンサルタントと名乗ることができません。
候補者と企業とのマッチングを担う採用コンサルタントにとって、求職者のアドバイザリーとして唯一の国家資格であるキャリアコンサルタントを保有していることは大きなアドバンテージになります。
合格率は50〜80%と、他の国家資格と比べても何度は高くない資格となっています。
ぜひ取得を目指しましょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は、雇用や社会保険、労働問題、公的年金の分野における唯一の国家資格です。
労働法、労働基準法、社会保険法など、労働法制度に関する幅広い知識が身に付くため、採用プロセスや雇用に関する法的規制を理解し、クライアントに法的アドバイスを提供できます。
クライアント企業に対して包括的で信頼性のある労働法的アドバイスを提供し、雇用関連の問題に対処するのに役立ちます。
特に、採用コンサルタントが採用プロセスにおいて法的コンプライアンスを確保する際に、社会保険労務士の知識とスキルは非常に有益です。
必要とされる学習時間は700〜1000時間と、難関資格となっていますが、その分需要の高い資格です。
採用コンサルタントとして他の人と差をつけたい方は、ぜひ取得を目指して見てください。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして唯一の国家資格です。
日本版MBA(経営学修士)との呼び名の通り、企業(特に中小企業)の経営を幅広い角度から診断し、適切な支援ができる知識が身に付きます。
中小企業診断士の資格を持つことにより、採用コンサルタントはクライアント企業に対してより総合的なサポートを提供でき、ビジネスニーズに合致した人材戦略を開発するのに役立ちます。
特に中小企業向けの採用において、企業の独自の状況や課題に適したアドバイスを提供できるでしょう。
取得に必要な学習時間は1,000時間〜、1次試験と2次試験を合わせた全体の合格率は4%前後となっています。
採用コンサルタントとしてよりキャリアアップしたい方におすすめです。
最後に
以上、「採用コンサルタントになるには」を具体的なステップとともに解説してきました。
2023年現在、採用コンサルタントの需要は増加しており、企業の人事職から採用コンサルタントへキャリアチェンジする方は年々増加しています。
採用活動の上流段階から携わりたい、年収をアップしたい、という方はぜひ採用コンサルタントとしての転職を目指してみても良いのではないでしょうか。
なお本記事を執筆しているKICK ZA ISSUE株式会社では日本全国のコンサルタントが集まる「コンサルデータバンク」というサービスを運営しています。
「コンサルデータバンク」には人事・採用コンサルティングの1時間のスポット案件から長期プロジェクト案件まで多数掲載されており、自身のペースに合わせて案件を受注することができます。
また案件掲載だけでなく、コンサルナレッジを学ぶことができたり、他のコンサルタントと情報交換することができます。
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