【徹底解説】謎多きITコンサルタントの仕事内容と年収事情

Day1 キャリア

こんにちは。Day1 キャリア です。

最近「ITコンサルタント」という職業を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。

テクノロジーの進展が著しい現代社会では、DXを推進することは企業の至上命題になっています。

しかしこれまでDXとはほど遠い世界でビジネスを行なってきた企業にとっては、「DXと言っても何から始めればよいのか分からない」と悩んでしまう企業が大半なのではないかと思います。

日経BP総合研究所イノベーションICTラボにより2019年に行われた調査によると、国内大手・中堅企業900社の内、約2/3がDXを推進できていない状況にあります。

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DXの推進状況(出所:日経BP総合研究所イノベーションICTラボ『DXサーベイ』)

しかしながら、NRIセキュアテクノロジーズが行ったDXに関する実態調査では、米国、シンガポールの企業に同様の質問を行ったところ、DXを推進している企業が8〜9割に達しています。

つまり、「日本企業のDX推進は海外と比べ圧倒的に遅れている」と言えます。まさに危機的状況です。

なぜここまで日本企業のDXが進んでいないのか、それは一言でいうと

 

「リソース不足」

 

なのです。

NRIセキュアテクノロジーズにより行われた調査によってもその事実は裏付けられていると言えます。

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日本企業がDXに取り組む際の阻害要因(作成:NRIセキュアテクノロジーズ)

 

このような危機的状況を解決する職業こそが、「ITコンサルタント」なのです。

事実、ITコンサルタントの市場規模は年々急上昇しています。

Day1 キャリア2018~2024年の「国内コンサルティングサービス市場」支出額予測。2019年までは実績値、2020~2024年は予測値(Source:IDC Japan, 6/2020)

 

このようにITコンサルタントの必要性は年々増していますが、いまいち何をする職業なのかあまり分からない方が多いのではないかと思います。

今回は、謎多き「ITコンサルタントの仕事内容」を徹底解説するとともに、これからITコンサルタントを目指す方へ向けて、「ITコンサルタントの年収事情」を、現役ITコンサルタントが解説します。

 

この記事について

  • ITコンサルタントの仕事内容が分かります。
  • 実際の年収事情も公開します。
  • たった3分で読めます。

こんな方は必ず読んでください

  • 就職活動中の就活生の方。
  • ITコンサルタントへの転職を考えている方。
  • ITコンサルタントに少しでも興味がある方。

この記事の信頼性

  • 筆者は現役ITコンサルタントとして、現在も第一線で活躍しています。
  • 大手外資系コンサルティングファームにて採用担当を行なっていた経験もあり、ITコンサルタントのいろはを完全に把握しています。

 

それでは解説していきます。 

 

1. ITコンサルタントの仕事とは

ITコンサルタントはクライアント、すなわちお客様がいて初めて成り立つ商売です。

クライアントが自分たちだけでは解決できない課題を抱えているときに登場し課題解決を手伝うのが ITコンサルタントの仕事です。

「ITを切り口に顧客の課題を解決する」

これが ITコンサルタントの仕事なのですが、課題の解決の仕方は大きく5つのステップに分かれます。

Step1:課題の特定

まずは顧客の課題を特定します。

そもそも課題とは現状の姿となりたい姿の間にあるギャップを課題と定義します。

ITコンサルタントとして働いていく上で、この課題の特定を正確に行うことが重要になります。

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課題を特定する上で意識しなければいけないポイントを紹介します。

  1. 現状を正しく把握できているか。
  2. あるべき姿本当にあるべき姿になっているか。
  3. その課題は本当に解決すべき課題なのか。

これら3つのポイントを意識し本質的な課題を特定することが重要になります。

Step2:解決策の提案

本質的な課題を特定した後は、その課題に対する解決策を考えるステップになります。

解決策を考える際は、コンサルティングフレームワークを利用したり、チームメンバーとのディスカッションを通じて解決策を練っていきます。

解決策を検討する上で使えるフレームワークのいくつかを以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

Day1 Career明日から使える!新規事業を考えるためのフレームワーク
https://day1career.com/business-newbusiness-strategy/

 

解決策ができたらその後クライアントへその解決策を提案します。

何を本質的な課題と捉え、その本質的な課題をいかに解決するかをわかりやすく提案します。

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Step3:導入計画の策定

提案が受領されたら次は具体的な導入計画を策定していきます。

一般的なシステム開発プロセスは要件定義〜設計〜開発〜リリースとシステムを1から順番に作っていくのですが、それぞれのプロセスを

  • どれくらいの期間
  • どれくらいの人数

実施するかということを考えるのが導入計画になります。

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Step4:導入/導入支援

導入計画が策定できたら、あとは実際に導入および導入支援を行うことになります。

実際の導入は ITコンサルタントだけでなく、顧客と一緒になって並走していくことで導入を成功させます。

またITコンサルタントは実際にプログラミングをしてシステムを開発するわけではなく、プログラミングをしているエンジニアたちに指示を出したり進捗を管理したりすることが、導入フェーズにおけるITコンサルタントの役割です。

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Step5:定着化支援

そして遂にリリースです。

長い努力の結果、プロジェクトが完了しシステムリリースされた際の達成感はITコンサルタントになって味わってみてください。

またリリースされて終了ではなく、リリースされた後そのシステムが実際にお客さんに定着するかどうかまでを支援することがITコンサルタントの仕事です。

このようにITコンサルタントはチーム一丸となってプロジェクトを成功に導くことで顧客の課題を解決します。

 

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以上が ITコンサルタントの仕事の内容でした。

 

2. 戦略コンサルタントとの違い

次はよく比較される戦略コンサルタントとITコンサルタントとの違いについて解説していきます。

おさらいですが 、Step1:課題の特定からStep4/5:導入その後の定着化支援までサポートするのが ITコンサルタントの業務範囲でした。

それに対し戦略コンサルタントは Step1~ Step3までのいわゆる戦略立案プロセスのみを行い、Step4~Step5の導入および定着化支援は自分たちでは行わず、他社もしくはクライアントに行ってもらうことがほとんどです。

また解決する課題の種類もITに限らず、会計・法務・税務・経営と幅広い分野での課題解決を得意とします。

ITコンサルタントと戦略コンサルタントの違いをまとめると以下のようになります。

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ITコンサルティングファームの代表的な企業だと、

アクセンチュア・デロイト・アビーム・野村総研 等が有名です。

一方で戦略コンサルティングファームの代表的な企業だと、

マッキンゼー・BCG・ATカーニー・ローランドベルガー 等が有名です。

ここで挙げたのはあくまでも一例ですので他にどんな企業かあるか気になる方はぜひ調べてみてください。

3. ITコンサルタントに向いている人・必要なスキル

次にITコンサルタントに向いている人・必要なスキルについて解説していきます。

ITコンサルタントとして働くうえで必要なスキルは大きく以下3つに集約されます。

  1. コミュニケーション力
  2. ロジカルシンキング力
  3. 自己学習スキル

筆者自身も、採用面接では面接官として主に上記3つのスキル/素養があるかを評価していました。

それぞれについて具体的にどんなスキルが求められるのかを解説していきます。

1. コミュニケーション力

クライアントと良好な関係を築き、プロジェクトを成功に導くためにはコミュニケーション能力は必須になってきます。

チェックポイントは3つあります。

  • 顧客からもれなく課題や要件をヒアリングできる
  • 異なる関係者間の意見を取りまとめ合意形成ができる
  • 顧客や開発者等チームメンバー間のコミュニケーションを円滑に回すことができる

以上3つがITコンサルタントのコミュニケーション力に求められる具体的なポイントです。

2. ロジカルシンキング力

次にコミュニケーション力と同じくらい重要なロジカルシンキング力について解説していきます。

こちらもチェックポイントは3つです。

  • 課題や要件を構造的に整理できる
  • 顧客へ物事を論理的に説明し説得できる
  • 物事の本質を追求できる


ロジカルシンキング力は一長一短で身に付くものではなく、継続的な努力の積み重ねによって身に付いていくものです。

この能力はITコンサルタントだけでなくすべてのビジネスマンにとって一生モノのスキルになります。

書籍や実地での経験を積んでぜひご自身のロジカルシンキング力に磨きをかけていってください。

3. 自己学習スキル

ITコンサルタントに必要なスキル3つ目が自己学習スキルです。

こちらもチェックポイントは3つです。

  • 足りない知識を自ら学習し身につけることができる
  • 常に知識スキルやアップデートすることができる
  • 自分に何が足りないかを把握することができる

 

新卒でITコンサルタントになる方はもちろん、エンジニアから転職されてきたとしてもITコンサルティングを行なう上で身につけるべきフレームワークや IT知識は山のようにあります。

このようなスキルや知識は継続的に学習していく必要があります。

ITコンサルタントとして働く上で、クライアントからの相談に対し「分かりません」という回答が最もNGな回答であり、わからないことの中でも自分がわかっていることがどこかをクライアントには伝え、本当にわからないことは次の日までにわかるようになってくる、ことがITコンサルタントの働き方として重要です。

 

以上3つがITコンサルタントに必要なスキルでした。

これらスキルを継続的に磨くことができる人はITコンサルタントに向いていると言えるでしょう。

またITコンサルタントとして今後活躍して行く上でぜひ身につけたい資格を以下で徹底解説していますのでぜひみてみてください。

kzi【2023年決定版】ITコンサルタントが本当に取るべき資格10選
https://day1career.com/it-consul-license/

 

4. ITコンサルタントの年収事情

そして最後に、ITコンサルタントの年収事情について解説していきます。

ITコンサルタントは年収が高いという話をよく聞きますが実際のところどれくらい稼げるのかを、現役ITコンサルタントが解説します。

ITコンサルタントの年収はそれぞれの役職に応じて変わってきます。

一般的なITコンサルティングファームの役職とかかる年数、およびそれぞれの年収は以下のようになります。

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このように it コンサルタントの年収はその役職に応じてどんどん上がっていきます。

また役職も勤続年数に応じた年功序列ではなく実績(パフォーマンス)に応じた完全なる実力主義を採用しているところが多いので、頑張れば頑張るほど年収が上がっていく世界です。

逆に努力が足りないと何年経ってもコンサルタントのままというケースも多くあるので、そういった意味では厳しい世界かもしれません。

その他の点を補足すると、見込み残業がすでに含まれていたりだとか、年2回パフォーマンスに応じたボーナスがあったり、福利厚生は他の一般的な日系企業と比べると少なかったりします。

新卒で入社するとだいたい30歳代で1000万円に到達することが多いです。

このような意味でも他の業界に比べると比較的高収入が見込まれる職種だということがわかります。

これら年収と役職の水位は企業によって異なります。

日系のITコンサルティングファームの方が比較的年収は低く、逆に外資系コンサルティングファームの方が年収は高い傾向にあります。

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またそれぞれの企業によって昇格のスピードが異なったり、福利厚生の内容が異なったりしますので、実際に応募する際はそれぞれの企業をしっかり調べることをお勧めします。

 

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

本記事を通して少しでもITコンサルタントの仕事について理解できるようになっていることを祈っています。

この記事を執筆しているKICK ZA ISSUE株式会社 では、通常のITコンサルティングサービスとは一味違い、企業様のDXを人材面からも推進するサービスを各種提供しています。

またこれからITコンサルタントを目指す方、転職先として検討している方へのキャリアコンサルティングサービスも行なっていますのでお気軽に こちら からお問い合わせください。

実際にすでに面接を受け始めている方は、以下記事でケース面接の鍛え方を丁寧に解説しています。超有料級の情報ですので、必ず読んでください。

crop businessman giving contract to woman to sign【現役面接官が教える】ロジカルシンキングから鍛えるコンサルケース面接対策
https://day1career.com/consul-case/

 

以上になります。

記事に関するお問い合わせやお仕事のご依頼は こちら からお願いします。

それでは!

 

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