明日から使える!新規事業を考えるためのフレームワーク

Day1 Career

こんにちは。Day1 キャリア です。

本日は新しく事業を考える上で使えるフレームワークをお教えします。

これは私自身外資系コンサルティングファーム、およびITベンチャー企業にて新規事業を考える際に必ず使ってきたものですので、実践で使えるものになっています。

・新規事業開発ってなにから始めればいいんだろう・・・
・起業したいけどアイデアが浮かばない・・・

とお悩みのあなた!この記事さえ読めば明日から新規事業開発を始めることができます。
それでは解説していきます!

この記事について

  • 新しく事業を始める際にどのように考えればがよいかがわかります。
  • たった3分で読めます。
  • より知識を深めるためのtipsを最後に紹介しています。

こんな方は必ず読んでください

  • 新しく事業を始めたいがアイデアの出し方がわからない方。
  • 自分のアイデアが正しいのか不安な方。
  • 新規事業開発を会社で任された方。

この記事の信頼性

  • 実際に筆者はITベンチャー企業で数々の新規事業をこのやり方で生み出してきました。また独立後も、このやり方で新規事業のアイデアを生み出し続けています。

それでは解説していきます。

新規事業開発のための4Step

まず結論から申し上げますと、新規事業開発は以下4Stepに従って行うことで成功の確率をグッッと上げることができます。

その4Stepとは…

1. 課題を設定する
2. 解決策を考える
3. 検証する
4. スケールさせる

です。

一見ありきたりに思えますが、それぞれのフェーズで成功と失敗を大きく分けるポイントがいくつかあり、そのポイントを知っているか否かであなたの新規事業の成功確率は変わってきます。

騙されたと思ってもまずは以下を一通り読んでみることをオススメします。
読んでみると知識の再確認ができるとともに今まで知らなかったTipsに出会えるはずです。

1. 課題を設定する

まずは解決すべき”課題”を設定することから始めます。

事業とは誰かにとって便利だと思ってもらわないと成り立ちません。サービスを作っても誰もお金を払ってくれなかったら困りますよね。

人が便利だと思うのは、今まではその便利さがなんらかの理由によって教授できていなかった、つまりなんらかの “課題” があったのを、新たなサービスにより解決されたことで便利になった、と思うのです。

つまり新規事業開発とは ”誰かの不便さ(課題)を解決する” ことなのです。

新規事業創出集団として有名なリクルートではこのステップを “不の発見” と呼んでいます。

例えばリクルート発の新規事業である ”スタディサプリ” は学習塾に通いたいが授業料が高くて通えないという不便さを解決するために、毎月1,500円程から有名学習塾と同じ品質の授業がオンラインで受けられる、という便利を提供することで受験生の”課題” を解決しました。

なるほど。。でどうやって課題を設定するの?と思われるかもしれません。
課題設定のポイントは大きく3つで、

1) 誰のどのような課題か
2) 今その課題はどのように解決 or 妥協されているか
3) 数年後もその課題が解決されることに意義があるか

の観点で自分の設定した課題をチェックします。

1)誰のどのような課題か

課題を抱えているのは誰か、を考えます。

ここでよくありがちな間違いは、”20代の男性” 等無意味なターゲティングをしてしまうことです。

”誰の”を考えるときはより具体的にその人が困っているシチュエーションを想定します。先ほどのスタディサプリの例では、”学習塾は高くて通えないが高品質な学習を子供に受けさせたいと考えている親” がコアターゲットです。

このように具体的な”誰”を想定することでこの後考える解決策や、使ってもらうためのマーケティングの施策の明瞭度が変わってきます。

このコアターゲットの設定に関して、詳しくは過去のNoteで解説しているので見てみてください。

2)今その課題はどのように解決 or 妥協されているか

誰のどのような課題かを設定したら次はその課題が今どのように解決されているか、もしくは妥協されているのか、を考えます。

これは次のStepである ”解決策を考える” に繋がってきます。
この活動は競合サービスを調べる、という要素もありますが現状上記で設定したコアターゲットが困っている課題の ”本質” を見極めることが主な目的です。

例えばスタディサプリが登場する前、先ほど定義した教育熱心だが教育資金がない親御さんはどのように課題を解決、もしくは妥協していたのかを考えます。借金をして高い学習塾に通わせていたかもしれませんし、品質にバラツキのあるYoutubeで教育系動画を漁っていたかもしれません。

ここからスタディサプリは”安く”かつ”高品質”なサービスであるべきだ、とサービス設計ができるのです。

親御さんが欲しいものは ”オンラインの動画講座” ではなく、”安くて高品質な教育” なのであって、これが課題の本質です。

”オンラインの動画講座” はあくまで “安くて高品質な教育” を提供するための手段にすぎません。この本質の見極めを怠ると手法の改善のみに終始し、結果顧客の課題が解消されず事業として失敗するので注意が必要です。

3)数年後もその課題が解決されることに意義があるか

なかなか今から数年後を未来予測することは容易ではないですが、その課題が根本からなくなることはないか、を考えます。もしその課題が根本からなくなる “仕組み” の変化が考えられ、その現実味が高いのであればそれはあなたの解決すべき課題ではないのかもしれません。

例えばそもそも大学受験そのものが不要になる世界が近い将来くることが想定される場合、受験勉強自体が不要になり上記で設定した親御さんの課題自体なくなりますよね。(そんな未来はこの先数10年来ないと思いますが。。)

このように設定した課題自体の消滅ケースを考えることは重要で、この後考える “解決策” の独自性を考えるタネになります。

2. 解決策を考える

解決すべき誰かの課題を設定できたら次はその課題の解決方法を考えます。当たり前やろ。。と思いますよね。私もそう思います。

ただ解決策をなんとなく思いつきで出してませんか?アイデア自体は思いつきでも構わないのですが、以下3つのポイントで出した解決策を評価することで事業の成功の確率が上がります。

1) 独自性を持っているか
2) ビジネスとして成立するか
3) スケールできるか

1)独自性を持っているか

まず設定した課題の解決策を考える際はいろいろ案を出してみることが重要です。その中でもその解決策に独自性があるのか、をまず確認します。

逆に独自性がないというのはすでに誰かがやっていたり顧客が魅力に感じてもらえない可能性が高いです。
仮にすでに似たようなサービスが存在していても、この独自性を付加することで他者と差別化できるかもしれません。なのでブレストした解決策の中からまずはこの “独自性” という観点でふるいにかけます。

2)ビジネスとして成立するか

ある程度まで解決策を絞ることができたら次は ”ビジネスとして成立するか” を確認します。どんなに素敵な解決策であっても費用がかかりすぎて赤字を垂れ流し回収できる見込みがなければビジネスとして成立しませんし、そもそも市場が狭すぎてある程度シェアを取っても売上が極小、とかであればそもそも課題の設定から見直す必要があるかもしれません。

ここで重要なのはあなたのサービスの価値はそのサービスそのものなのではなく、 “サービスを提供するビジネスモデル” なのです。

このお金を稼ぐ仕組みであるビジネスモデルに会社は投資するのであり、市場は投資します。
解決策はこのビジネスモデルとセットで必ず考えましょう。

3)スケールできるか

この観点は2)に関連するのですが、提供する解決策がスケールできるか、を確認します。

例えば1年後に顧客が今の100倍になってもその解決策は有効か、を考えます。顧客が増えれば増えるほど従業員の付加が比例して上がっていくような解決策ではなかなかスケールせず売上が上がっていきません。

たとえ顧客が激増しても対応できるようなオペレーションの仕組みとセットで解決策を考える必要があります。

3. 検証する

適切なサイズの課題を設定し、独自性と収益性を持つ解決策を考案したら、次はその課題と解決策が本当に世の中に求められるのか、を検証します。

検証は以下3つのStepに沿って行なっていきます。

1) KPIを設定する
2) MVPでユーザーの行動を評価する
3) 学習し課題/解決策を見直す

1) KPIを設定する

あなたの事業が成功するために評価すべきKPIをまずは設定します。”事業が成功する” とは “利益が上がる” と同義だと仮定すると、 最終的にこの利益が上がるために作用する主要KPIを設定するのです。

ここでは新規事業を行う上で設定する主要KPIの一覧をご紹介します。
これらKPIの中から、あなたの “事業の成功” に作用する重要指標を見極め、それをトラッキング対象のKPIに設定してみてください。

画像1

2) MVPでユーザーの行動を評価する

KPIを設定したら次はその設定したKPIを評価するためにMVPを作りテストマーケティングします。

MVPとは “Minimum Viable Product” の略であり、あなたのサービスの核となる部分のみを構築したプロダクトをクイックに作成し、実際にあなたが設定した顧客ターゲットに使ってもらいます。

このMVPの作成には極力時間をかけるべきではありません。

よく “中途半端” なものを世に出すなんてありえない!恥ずかしい!と大企業になればなるほどそう考える傾向が強くなりますが、市場ニーズがないものを時間と予算をかけて作成したものの、そもそも誰も求めておらず投資が無駄になった、、という方がよっぽど恥ずかしいです。

米調査会社のCBインサイツの調査によると新規事業が失敗する理由の約半分は “市場ニーズがなかった” ことによるそうです。

画像2

このように市場ニーズをMVPを利用し早期に検証することが重要なのですが、その検証方法にも注意が必要です。それは ”ユーザーの言葉” ではなく “ユーザーの行動” を計測する、ということです。

例えば “こんなサービスがあり、使ってみたいと思いますか?” とアンケートを取った時に約80%のユーザーがYesと回答したものの、実際に市場に出した時に全く使われなかった、なんてケースはざらにあります。
これは”相手を喜ばせるために好意的な反応をする” という心理的行動と、”実際に自分がお金や時間といった資産を犠牲にしない状況での回答” という大きく2つの調査バイアスによりこのような乖離が生まれてしまうのです。

なのでこの検証フェーズではアンケート結果だけではなく、実際にユーザーがどれくらい使い続けているのか、お金を落としているのか等の “行動” の評価に重きを置きましょう。先ほどのKPI一覧も “行動” に関わる指標が多いのがご確認いただけるかと思います。

3)学習し課題/解決策を見直す

MVPで顧客の行動を検証し、KPIを評価したらその結果を学習しましょう。
設定したKPIの指標を初めからすべて達成できていることなんてほとんどなく、なんらかの見直しが必要になります。

例えば全くKPIが達成できずそもそも課題の設定が間違っていた、なんてケースもあります。一度設定した課題から見直す作業がめちゃくちゃキツイですよね。ただこのまま間違った課題設定で突き進んでもいつかは成長の壁にぶつかり結局撤退を余儀なくされます。どうせ撤退するくらいだったら流血の少ない早い段階で方針転換(ピボット)しましょう。

また一部のKPIのみ達成できなかった場合は、課題そのものは間違えていないが解決策に改善の余地があるケースが多いです。

便利そう!と思って顧客がたくさんインストールしてくれるものの、離脱率が多い、、という場合は確かに市場はあるのですが解決の仕方が間違っているのかもしれません。

なぜ解約されてしまうのか、、を徹底的に学習し解決策を練り直しましょう。

4. スケールさせる

前述の検証フェーズが成功した後は、あとは事業を拡大するのみです。

ただ検証フェーズが成功したからといって、この拡大フェーズを蔑ろにするとあなたの事業はみるみる失速し後発のサービスに追い抜かれてしまいます。

このスケールフェーズでは大きく2つの模倣困難性を確立し、競合を寄せ付けない絶対的な地位を作ることに専念します。

それは、

1) 事業複雑性
2) 組織複雑性


の2つです。

1) 事業複雑性

事業複雑性とはその事業を他社が真似しようにもできないビジネスモデル上の独自性とも言えます。

解決策の立案時に “ビジネスモデルの独自性” の重要さを説明しましたが、そこで作った独自性をしっかり管理し伸ばしていくことが重要です。

毎度おなじみリクルートではこのプロセスを ”価値マネジメント” と呼んでいます。

あなたの考えたビジネスモデルをビジネスモデル足らしめる重要指標をKPIに据え置き、そのKPIの成長が鈍化していないか、下降していないかを確実にトラッキングすることが重要です。
その重要KPIを伸ばすために事業を微修正しながら誰も追随できない事業複雑性を構築していくのです。

2) 組織複雑性

組織複雑性とは、あなたの事業が伸びることに特化した独自の組織構造が構築できているかどうかを表します。

ここも解決策の立案時に触れた “スケールできるか” に関わってきますが、あなたのサービスを使う顧客が明日に100倍になっていても対応できますか?ということです。

例えばアパレルで有名なZaraは流行を素早く取り入れたそのデザイン性が成長要因のように思えますが、実は裏の流通の仕組みや店舗での運営が徹底的に無駄なく仕組み化されていることがZaraのKSF(Key Success Factor・成長要因)なのです。

同じようにデザイン性を売りにしていたForever21が失速した傍、Zaraが成長し続けた理由はこの “事業が拡大しても回るような仕組み作り” にあります。これを “オペレーショナルエクセレンス” と呼びます。
この “オペレーショナルエクセレンス” をいかに素早く構築できるか、であなたの事業がスケールするか否かが変わってきます。

少なくとも成長したいのであれば、 ”あの人がいないとこの事業は回らない…” みたいな労働集約的な組織構造からは脱却を図るべきです。組織として強くなりましょう。

最後に

以上が新たに事業を作る際に使えるフレームワークでした。

以下のように “課題設定〜解決策検討〜検証” のサイクルをクイックに回し市場ニーズを満たしだしたら拡大する、というのが正攻法です。

画像3

今までどうやって起業しよう、、とかどうやって新規事業作ろうとか悩んでいた方はこれを参考に第一歩を踏み出してみてください!

このフレームワークはあなたの新規事業開発の成功確率を格段に上げることができますが、本当になにが成功してなにが失敗するのかは実際行動をして初めて身につくものです。

なのでまずは小さくでもなにか始めてみてください。だんだん感覚がつかめてくるはずです。

もっと詳しく新規事業開発や起業時のアイデア創出手法について知りたい!という方のために以下書籍を紹介します。実際に自分がいくつか呼んだ中で厳選した3冊でので一読の価値ありです。

実際にリクルートで使われている新規事業開発のフレームワークを9Stepで解説しています。組織として新規事業開発を成功させるための仕組み造りが勉強できます。

スタートアップの聖地、シリコンバレーで重宝されているスタートアップ界の教科書のような本です。実際にこの本を参考に起業して上場までしている起業家が世界中にいます。体系的に学ぶならまずはこの本から始めるのがよいでしょう。

これから起業を考えている人には絶対オススメの書籍です。
アイデアの創出方法からスケール時のTipsまで、めちゃくちゃ参考になります。

以上になります。

記事に関するお問い合わせやお仕事のご依頼は こちら からお願いします。

それでは!

 

コンサルタントの転職・独立を応援する情報メディア|Day1キャリアをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む